今回ご紹介するのは、『 SPAiCE COFFEE HOUSE 』を運営されている紺野さんです! 御宿での生活の参考にして頂くべく、御宿に関わる多様な『人』をご紹介していきます。
− 自己紹介をお願いします
紺野雄平、32歳です。 福島で生まれ、小学2年生の時に足の速い同級生に憧れてサッカーを始めました。 高校はサッカーの強豪校に進学しましたが、「ずっとベンチ外」。 練習量には自信がありましたが最後まで結果が出ず、小さい頃からの夢だったプロサッカー選手になることを諦めました。
この挫折感を原動力に今度はスポーツトレーナーになりたいと思うようになり、筑波大学を目指しましたが受験に失敗し、立て続けに挫折感を味わいました。 落胆していると、母親が国際武道大学を見つけてきてくれ、進学することにしました。
在学中に就職活動を始めましたが、同じスーツを着て、同じ髪型に整え、『安定するために就職する』という考え方に違和感を覚えました。
今の時代、自分で生きていく力を身につけたほうが一番安定するんじゃないかと考え、1社からもらっていた内定を辞退しました。 そして、「人が集まる場をつくりたい」と考え、2015年に自転車屋台でコーヒー販売を始めました。

しかし最初の頃は週1, 2回のみの出店で、収入がほとんどなく、まさに自転車操業の日々でした。 ただ どんなに生活が苦しくてもバイトをしようとは思いませんでした。その理由は、自転車屋台を始めた当初に抱いていた「自分は就職せずに自由に生きている」という優越感とプライドが邪魔をしていたからです。
「バイトするなんてダサい」と強がっているうちに、電気が止まり、ガスも止まり、ついには水道も止まりました。 精神的にも追い詰められ、実家のある福島に帰ることにしました。 絶望感を感じた時もありましたが、なんとか思いとどまることができ、「ちゃんと生きよう」と思うようになりました。
そして勝浦に戻り、生活するためにバイトを始めました。同時に、コーヒーだけで食べていく方法を必死で模索しました。 昼間は自転車屋台でコーヒーを販売し、夜は飲食店でバイトをする日々。 コーヒー販売では、接客方法から試行錯誤を繰り返しました。
例えば、お客さんにコーヒーを渡す時はカップのどこを持つといいのか、お釣りを渡す時は片手と両手のどちらがいいのかといった細かな点も改善していきました。
コーヒーの淹れ方や豆のブレンドなど、美味しい一杯を出すための研究も重ねました。これらはすべて「できる範囲の中で最大限に喜んでもらいたい」との思いからでした。
がむしゃらに頑張っていると徐々にお客さんが増え、気づいたらコーヒーだけで生活できるようになっていました。
現在は千葉県勝浦市の商店街にある古民家を改装し、『 SPAiCE COFFEE HOUSE 』というカフェを運営しています。
「日常にちょっとしたスパイス(刺激)を届けたい」という思いを込めたこのお店は、コーヒーを通じて人が集まる場をつくることを目指しています。 原点である朝市での自転車屋台を用いたコーヒー販売も続けており、イベントやマルシェなどへの出店も行っています。
【Instagram】https://www.instagram.com/spaice_coffee_house/

− 御宿に住み、勝浦でお店を運営する生活は いかがですか?
OnとOffを切り替えられる、とても良いライフスタイルだと感じています。御宿では休日にサーフィンをしたり、のんびり過ごすことが多いです。 一方で、勝浦は仕事モードになる仕事場という位置づけです。
御宿と勝浦のちょうどよい物理的な距離感や、それぞれの町の特性が、モードを切り替えるのに役立っています。この環境のおかげで、心身のリズムを整えながら生活を送ることができています。